あるあり日記

個人的な感覚・感想

介護福祉施設での利用者に対する拘束と虐待について

ネットニュース記事にて老人福祉施設で複数の職員による利用者の虐待に関する記事を見ました。

今回の出来事に関して利用者に対して紐で拘束したり、部屋に閉じ込めたりしていたとの事が地域の人から「虐待が行われている」との通報により発覚したと言う事例です。

既に職員などには処分が科せられており、施設長もお詫びと再発防止に努めるとのコメントが発表されているようです。

この記事に関して見出しが”老人ホームで虐待か”と言う表現で出されています。

普通の方が記事内容など見れば老人福祉施設を利用している高齢者に対してただ単に拘束による虐待が行われていたと言う情報が入ってしまいますが、詳細も示されておらず、そもそも拘束と虐待と言うのを履き違えている可能性が非常に高い印象を受けます。

自身も福祉関係の仕事に従事していてその中で介護と言う現場も経験して来ています。

現場での経験者として考えるのであれば先ずは利用者の状況と拘束に至った経緯などが詳細に示されていない事から判断に困る記事の出来栄えとなっています。

利用者に対する一定の拘束とは、認知進行などにより異食行為(目にした手に取った物などを口にする)、排せつ物の散布、過度の徘徊(落ち着かず不必要に歩き回る・外へ出て行ってしまうなど)、自虐行為(処置や点滴した物を取ってしまう・不意に無理に何かする事で自身が傷ついてしまうなど)、他者への暴力などが過度にあり利用者を看ていくにあたり必要最小限の行動制限を行う事になります。

この拘束を実行するには利用者の家族に対して何故拘束をしなくてはならないのかをきちんと説明して、同意を得た上で行っていくのが基本です。

それも必ず同意書とどのような拘束をどの程度又は時間行ったかを基本的に記録し記録を残す事になっている筈ですので、この手順をきちんと行っていたならば虐待には値しない事になります。

確かに拘束を受けていない利用者やその家族などから見た場合にはある意味で虐待しているかのように見えるかもしれません。

しかしながら手順と同意などをきちんと得て実行しているのであればおかしな話となります。

逆に同意などの手順を踏まずただ単に職員や施設などの勝手な都合でもって行われていたとしたらこれは問題となります。

マスコミはこうした出来事だけを取り上げるのではなく事実確認や手順を経ているのか、家族などによる同意を得ているのかなどをしっかり確認して報じる義務があります。