2020-08-11 特養におけるドーナツ事件の結末 マスコミ メディア 医療・介護 時事 環境 社会 福祉 福祉施設 訴訟 今からおおよそ7年前に特別養護老人ホームにて利用者にドーナツ(固形物からゼリー状への提供変更への情報共有が出来ておらず)を提供したところ、一時窒息状態にしてしまい結果的にその後(1か月後)死亡に至った為に当時勤務していた看護師に対して過失を訴えていた事件がありました。 情報共有による過失はあったものの、当時はその利用者がドーナツを摂取できる可能性も無きにしも非ずで、窒息の予見は不可能であったとの見方が強く、検察側も上告を取り下げる方針と言う記事(結果無罪判決)が出ていました。 自身も介護の分野において長年現場に携わってきましたが、利用者に対する人間らしく生活する事が出来ると言う基本方針があっての介護や福祉と言えますので、嚥下や咀嚼活動が低下している人でない限りは基本的には食事などは通常での提供となります。 また経過状態によっては家族の了解など含めて変更する事もあります。 勿論利用者本人が固いものは細かくしてほしいとか、お粥がいいと言ったような要望があれば当然本人の意見を尊重して変更しているのが当たり前です。 食事などは日常生活上においても楽しみとなっている重要な活動であり欲求です。 自身も漏れなく現場で介助をしている際に何度も詰まりかけた人(窒息状態)を見てきましたし救助した事はあります。 それこそ流動食(胃ろうや鼻腔からの摂取)手前とも言える状態の著しく嚥下活動が低下した利用者もいて、当時は気が抜けない現場を体験してきました。 ゼリーやスポンジ生地の洋菓子などでも細かくしても詰まりかける可能性のある利用者もいましたので、誤嚥は勿論の事ながら飲み込むまでの緊張感は何とも言えません。 よくお正月などである程度健常者であろうとも高齢者によるお餅の窒息死と言う事件が毎年のように起きています。 介護福祉施設などでは当然の事ながら利用者の状態などに合った食事形態と必要な介助・見守りをしてきていますので、今回の事件のような事が何度も取り上げられれば介護施設はやっていけなくなってしまいます。