あるあり日記

個人的な感覚・感想

介護サービス利用者のポロリ話から学ぶ

介護福祉サービス利用者でも自立している高齢者にしても、年齢と共に何かしらの機能低下と言う物が出ている事に本人も薄々感じており、特に認知機能が衰えていない人程に家族以上に本音では実感している事を感じさせる出来事が度々あります。

介護福祉従事者としては20年余りの経緯ですが、その内これは自身が介護現場で約18年勤めてきた経験を基づいて話をしていきます。

こと10年以上前の利用者においては比較的寝たきりに近い人が多かったもののそんな中でも頭だけはしっかりとしていた人もいました。

介護の仕事ですので当たり前の介助などをしている中でポツリと利用者の本音を聞くことも度々ありました。多くは「こんな体になってしまって情けない」、「みんなに迷惑をかけている」、「家ではここまで優しくしてもらえない」など様々な事情が判明していきます。

特に「こんな状態になるなら、もっと頑張らなければよかった」など後悔する面もあります。

時代的にも介護サービスを利用する事がやや悪いような世間体もあった事から利用者にとっては迷惑な存在であると言う認識が強くにじみ出ていました。

しかし戦中戦後を渡り歩いた忍耐強い人々であり、日本を守り立て直した人々です。自身はそうした経緯と現在の人々との違いを交えながら、「○○さんが頑張ったおかげで自分たちがいるんですよ」、「今はこうした介護と言う仕事が出来て働けるのも○○さんが利用して頂けるから当たり前で、気にする事では無いよ」、「○○さんの時代の強さと現在の人々の強さは全く異なるから、今の人はここまでしっかりと機能を維持して高齢者の時代を迎える事が出来ない、ここまで生きていける可能性が低い」など自分なりに励ましあいながら介護をしてきました。

こうした話をしている内に変な話ですが、現在における家庭内の高齢者に対する接し方やどう考えているのかが自分なりに判明していきます。

それと同時に高齢者の辛かった時代の話などを聞いていく内に現在は何とも豊か過ぎる世の中になったものだとひしひしと実感するようになってきました。

現在ではありえない様な風習や習慣、考え方などを多く学ばせてもらっています。

現在では食物も選択でき、堕落も鍛錬も選択でき、知識だけが先行していく時代になっています。

良くも悪くも経験や体験と言う物はもはやこうした歴戦の高齢者の内で信頼関係が築けた人にしか伝わらないと言う現実があります。

今では老害などと謳う人もいますが、中には貴重な良き実体験を交えたものも隠されている事がありますので、一概に超高齢者をいい加減な扱いをしない事が大切です。

もはや戦中戦後を正確に伝えてくれる人々も少なくなってきている現在ですので、貴重な話を決して逃さない事が必要かと思っています。