定年の延長
少子高齢化による働く世代の確保と定年を過ぎた世代が経験を活かして仕事が継続できるなどと言うような事で、この4月から定年が延長される方向になってきた。
働き方の多様化も謳われている時代にはいささかミスマッチな方針である。
既に定年を過ぎた世代でも定年を延長せずとも再雇用(非正規)している所はあり、今更わざわざこの定年を延長すると言う意義は新卒や現役世代の転職などの弊害しかない。
耳障りよくいかにももっともらしい言葉でこの方針は進められてきたが、何かしらの保身的な意味合いが大いに含まれたものであるので、全ての職種にとって得となるとは思えない。
現在よくある働き手が少ないと言うような職種にはそれぞれの問題があると言う事によりそうした現象が起きているのであって、定年を延長したからと言って変わるものではない。
また以前にも話したが非正規雇用の拡大により所得の水準と産業の収益が大きく抑制され、低価格による負のスパイラルでの経済低迷が明白になっている。
元気な高齢者が多くいる事はその国の水準が高いことの証明であるが、誤った政策による年代間での対立構造を生じさせるような事例が現在では多くも感じる。
自浄作用の優れた社会を作り出す事の方が先決である。